お召し上がりください?召し上がりください?どっち?

こんにちは。長壁です。

本当に“お”召し上がりください?

密かに疑問に思っていました。
校正の仕事をしているので、普段から文章
や表記を気にするようになりました。

食品のパッケージをよくよく見ると、
よく「お早めにお召し上がりください」という
表記を目にしませんか?

あれっ!これって二重敬語?
「召し上がる」は食べる、飲むの尊敬語だか
ら、頭に“お”をつける必要はないのでは?と
思いました。

自宅にある、あらゆる食品関係のパッケージ
を見てみました。

すると、なんと!

9割が「“お”召し上がり」でした。

「お早めにお召し上がりください」
「お召し上がり方」
「お召し上がりいただけます」
などの表記がありました。

9割がこの表記っていうことは、つまり、間違
いではないのか?

文化庁が平成11年度に行った「国語に関
する世論調査」で、適切かどうか問題になる
言い方の例を挙げ、「気になる」かどうかの
結果
によると

“本製品のお召し上がり方”
の言い方について。

気になる → 25.9%
気にならない→ 68.1%

参照サイト

“平成11年度「国語に関する世論調査」の結果について”
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/h11/

文化庁の敬語の指針によると、
【習慣として定着している二重敬語の例】
ついて書かれていました。

尊敬語では、
「お召し上がりになる」「お見えになる」

謙譲語では、
「お伺いする」「お伺いいたす」「お伺い申し上げる」

“敬語の指針”
平成19年2月2日 文化審議会答申
6 二つ以上の種類の敬語にわたる問題
(2) 「二重敬語」とその適否 より

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf

本来なら、一つの語について同じ種類の
敬語を二重に使ったものを二重敬語といい、
二重敬語は文法的にも正しくないと
されていますが、
上記の言葉はOKとされていることを知りま
した。

また、20年以上前で、「お召し上がり方」と
いう言い方は気にならない人が7割弱!
けっこう高い数字で驚きました!

敬語になると元の言葉とは別の言葉に変わ
る場合、さらに丁寧にしようと考えすぎて、
私もよく二重敬語になってしまうことがあり
ます。

そんなときほど、シンプルに使うことを心が
けています。

例えば、「拝見します」を「拝見いたします」
と使っていたときがありました。
「拝見する」という言葉自体が「見る」の謙譲
語なので、語尾をですますに変えて、
「拝見します」でいいんだ!ということを知ったのです。

私の勝手な見分け方!

尊敬語の場合、
「お(ご)~になる、~なさる」にしてみる

(言う)の尊敬語
おっしゃる → おおっしゃりになる
おかしい!

謙譲語の場合、
「お(ご)〜いたす」にしてみるといいですよ!

(見る)の謙譲語
拝見する → ご拝見いたします
あれっ?変ですよね?
シンプルに「拝見します」が正しい敬語。

(行く・来る)の謙譲語
参る → お参りいたします
あれっ?別の意味に変わった!
シンプルに「参ります」が正しい敬語。

「召し上がる」と「伺う」などは“お”をつけて
も違和感ないので、こっちのほうがより丁寧
だという考えから当たり前に使われてしまっ
たのかな?と考えました。

確かに多くの方が使っている場合、それが
当たり前になりよしとするようになっているの
も事実ですよね。

一方で、「さ入れ言葉」もより丁寧に丁寧に
を意識するあまり、不要な“さ”を入れてしま
いおかしな敬語になってしまいます。

例えば、
・「送る」→「送らさせる」
正しくは「送らせる」

・「読む」→「読まさせる」
正しくは「読ませる」

詳しくはこちら↓
“使役の助動詞「せる/させる」とは”

さ入れ言葉はNGとされ、
お召し上がりになる、お伺いするなどの二重
敬語は間違いではないとされていますが、
私はシンプルに本来のきれいな敬語を今後
も意識していきたいと思います。

余談ですが、
召し上がるを国語辞典で調べたら
言葉の移り変わり”というコラムが載ってい
ました。

「ご飯」と同じ意味の「めし」、実は敬語だった?!

子どもに「めし、ちょうだい!」なんて言われ
たら、「はっ?めし?ご飯でしょ!」って言ってし
まいそうですよね(笑)

今から千年ほど前、「ご飯」のことは「いい」といっていました。「いい」はその後、「めし」という言葉になりました。
「めし」は「お食べになる」という意味の敬語「お召しになる」からできたていねいな言葉です。
ところが長く使われるうちに、「めし」にはていねいな感じがなくなり、ていねいにいうときは「ご飯」を使うようになりました。

小学 新国語辞典【改訂版】
監修 甲斐 睦朗
光村教育図書

そう考えると「ご飯」の最上級が「めし」
ですね(笑)

「召し上がる」も、敬語という意識が徐々に
薄れていき、より敬意を表す「お」を頭につけ
たり、「お〜になる」という言い方に変わって
いったのだろうと感じました。

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