「差し上げる」と「申し上げる」どっちがいいの?

こんにちは。長壁です。

「差し上げる」と「申し上げる」の使い分け。
この二つの敬語は、よく見かけますよね。

例えば
ご連絡差し上げます。
お手紙を差し上げます。
先着○○名様に○○を差し上げます。

ご連絡申し上げます。
お願い申し上げます。
などなど。

いざ使うとき、どっちが正しいの?
この場合はどっちを使うほうがいいの?
と迷うことはありませんか?

先日、校正をしたとき、
「ご案内を申し上げる」なのか、
「ご案内を差し上げる」なのか、
この二つの敬語で
「どっち?」とわからなくなってしまいました。
そこで、二つの意味と違い、敬語について
調べましたので、ご紹介します。

意味を辞書で調べました。

「差し上げる」・・・①手に持って高くあげる。
           例「バーベルを差し上げる。」
          ②「あげる」「してやる」のへりくだった言い方。
           例「お客さまにお茶を差し上げる。」

小学館 例解学習 漢字辞典より

「申し上げる」・・・①目上の人に言う。
           例「心からおいわいを申し上げます。」
          ②「する」のけんそんした言い方。
           例「おねがい申し上げます。」

小学館 例解学習 漢字辞典より

上記の言葉は、敬語の謙譲語にあたります。
謙譲語とは、

“謙譲語I(「伺う・申し上げる」型) 自分側から相手側又は第三者に向かう行為・ものごとなどについて,その向かう
先の人物を立てて述べるもの。
<該当語例>
伺う,申し上げる,お目に掛かる,差し上げる
お届けする,御案内する
(立てるべき人物への)お手紙,御説明”

『敬語の指針 – 文化庁』
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf


謙譲語について調べてみたところ、
「ご案内を申し上げる」「ご案内を差し上げる」
自分側から向かう相手を立てて述べるという使い方では
両方ともありなんだと思います。

意味を調べたときに違いがあると思いました。

「差し上げる」には“あげる”・“してやる”という意味がありますね。
自分側
相手のためにあげる
↓↑
相手側
受け取る、もらうことでありがとう

両者の関係があげるともうらの関係になると思います。

「申し上げる」には言う・するという意味がありますね。
自分側
相手に言いたいという一方通行でも成り立ちます。

相手側
聞く・その気持ちを受け取る

相手との関係を考えてみると、
校正をしたときに、ご案内を送る相手とは
面識がなかったり、初めて書面を送ったり
する場合、送る側の言いたいという気持ち
が伝わると感じたので、
「ご案内を申し上げる」が適切であると判断しました。

よく目にする敬語ですが、いざ「どっち?」
と考えると本当に迷いますね。
相手がいて成り立つ敬語なので、誰を立てて
いるのかを考え、意味も知っておくと上手に
使い分けできるのですね。

余談ですが、
言うの謙譲語について、古文・古典では、天皇・上皇・法皇に対して申し上げる場合は、「奏す(そうす)」という言葉を使い、皇后・中宮・皇太后・皇太子に対して申し上げる場合は、「啓す(けいす)」という言葉で使い分けていたそうです。

参考辞典
“大修館書店 古語林”より

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