鎌ケ谷市?鎌ヶ谷市?

どっち?なぜ?地名のケとヶの謎 ブログ

こんにちは。長壁です。

【地名のケとヶで】

「鎌ケ谷市の市長さんは大きいケに統一
したい」

なぜ?

これはあるクライアントの折り込みチラシ制
作でのことです。

店舗名、住所、また地図の表記の校正で、
鎌ケ谷市は「大きいケ」と「小さいケ」の
どっちが正しいのだろう?

地図の校正では、付近の建物や駅なども表記
してあったので、いつも通りGoogleマップで
確認。(弊社の場合です)

建物や駅の表示を確認すると、両方のケがあ
りGoogleマップの通りに赤字を入れました。

その店舗の情報一覧を広告代理店の担当の方
が作成してくれていて、(校正するときに)そ
の一覧表には、「ケとヶについてどちらでも
よい。」と書いてありました。

これが意味することは何か?

理解するための確認をせず、Googleマップが
合っていると思い込んで赤字を入れてしまっ
たので、校正者としてはアウトでした。

その後、広告代理店の方に聞いたのですが、
鎌ケ谷市のHPにケの表記についての方針が
載っていたと教えてもらいました。

そのHPを見ると、
ヶケが混在している理由は、
1.慣例で使用してきた表記
2.昔の村や町であった時代から使われてきた表記
これらはどちらの使用も差し支えないものとの考え。

ただし、
市では、平成11年6月に市が作成する
公文書等は「鎌ケ谷市」に統一する考え
を示しています。

【参照】
鎌ケ谷市の『ケ』の表記について(令和2年5月1日回答)
鎌ケ谷市ホームページより


ケとヶはどちらも間違いではないこと。
だからこそ、作成する人によってバラバラに
なることを避けるために、表記の方針を定め
たということですね!

このことを記事に書くにあたって、もう少し
調べて考えてみようと思いました。

私が参考にしている校閲本に地名のケについ
て書かれていたことを思いだし、私はもう一
度その本を読み返してみました。

そこには、

“「ケ」が大きいか小さいかに神経を注ぐより注意すべきことは、ケのあるなしです。”


『校閲記者の目』
あらゆるミスを見逃さないプロの技術

著者 毎日新聞校閲グループ
発行所 毎日新聞出版

と書かれていました。

この文を読んだとき、ズドーンと胸にささり
ました!

私はまさに、重箱の隅をつつくような赤字を
入れていたのです。
お恥ずかしい…

地名や、1ヶ月などに使われる「ケ」「ヶ」は
片仮名ではなく、記号扱いということです。

人により土地により認識も異なる。
だからこそ新聞としてはどちらかに決めるし
かないそうです。

校正する者として、
本来あるべきモノがないということは避けな
ければいけません。
もし、「ケ」がないことに気がつかなけれ
ば、クライアントにも鎌ケ谷市のみなさんに
も失礼になります。

地名の場合は、市で確認するといいことを
今回知りました。
広告代理店の方に感謝です!
また、社長から「記事にしてみたら?」とい
う一言がなかったら、本を読み返してみた
り、広告代理店の方に詳しくお話を聞くこと
もしていなかったかもしれません。

なぜ、大きいケ?
どうやって調べたんだろう?
という疑問を解決するために、聞いて調べて
考えることができました。
ありがとうございました。

このことがまた他の誰かの疑問解決のお役に
立てたら嬉しいです。

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