インナー・ブランディングとは。

コミュニケーションは手間暇かかるものなのよ〜 ブログ

こんにちは、及部です。

前回、
私はよく「何をされているんですか?」という質問に対し、
「マーケティングとデザインです」とか
「インナー・ブランディングです」とお答えするということを書きました。
その分野で使われるカタカナやアルファベット3文字が
やたら難しい、ということも書きました。

そりゃ、私だってわからない用語に出会えば調べますし
具体的にイメージできる方法も白髪が増えるくらい考えてきましたよ。
お仕事ですから。

でもね、去年と今年で
同じ事を表すのに違うアルファベット3文字になってたりするようなんです。
日進月歩というものらしいです。
ついていくのは大変です。

ですが、その根底にある
「データから、現状の課題を読み解く」という基本的な考え方は
とても大切なことだと思っています。

また、私の本業はグラフィック・デザイナーです。

これもまたカタカナですが
最終的には、フライヤーやDM、パンフレットなどの紙媒体を印刷するための
データを作るのがお仕事です。

そこに至るまでに
どんなコピーやどんなビジュアルを組みあわせるかとか、
何をどのような順番で伝えていくかとか、
編集方法をご提案するのも私のお仕事です。

ここまでがおそらく一般的な「グラフィック・デザイナーのお仕事」なのですが、
これだと
ゴールが「印刷物を作る」ことになってしまって
私としてはつまらないわけです。

ですので、
編集方法をご提案する前に
例えば、執行役員&運営(営業)責任者&マーケティング担当というように、
クライアントの中での多部署の方との定例ミーティングを設定していただくことが多いです。

普段も会議をする面々の中に
何もわからない外部の私が乱入することによって

①今まで納得し合えていたはずのことがそうでもなかったり、
②敵対しているように感じていたことが実は同じ事を言っていただけだったり、
③たった一つの言葉の齟齬が下手な伝言ゲームを巻き起こしていたりということに
参加者の皆さんが気づいていただけることを目指します。

すると段々
執行役員は俯瞰したデータを元に気づいたこと、
運営責任者は現場から吸い上げた顧客の声、
マーケティング担当者はクレームなどの情報からの気づきなど
それぞれの立場からの実感値(これも貴重なデータ)が出てくるようになったりします。

これも一つの「データから、現状の課題を読み解く」プロセスです。

その上で
参加者全員が納得できた現状の課題を元に
編集方法をご提案するようにしています。
場合によっては参加者に考えていただいたりもしちゃいます。

たとえて言うなら
ゴールは「社内コンセンサスの改善」で、
印刷物はその副産物のようなものになります。

ここまでのプロセスを
私は「インナー・ブランディング」と呼んでいます。

さらに、
副産物としての印刷物が
まだ顔も名前も知らない「未来顧客へのお手紙」として仕上がると
不思議なことに
ちゃんと望ましい結果が生まれることが多いように感じます。

ここまでを含めた全体のことを
私は「マーケティング&デザイン」と呼んでいます。

このように文章で書いてみると
めちゃくちゃ非効率な作り方をしていますね。
非効率上等! 非効率バンザイ!

効率という名の下に
手間暇や知恵までも省エネ化されることを
私は正直つまらないと思っています。

最初の段階で思う存分
非効率なほどコミュニケーションに手間暇かける
その後の意思の疎通がずっと楽になるのでは?
長期的に見れば
十分効率的な時間の投資なのではないかと思うのですが、
いかがなものでしょうか?

前回のお話「インナーブランディングと専門用語」はこちらへ。

次回のお話「社内でのコンセンサス」はこちらへ。

コンサルティング業務についてはこちらへ。

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