「〜ておきます」「〜ていきます」「〜てきます」「〜てみます」ひらがなにする理由は?

なぜ、ひらがな?×「〜して置く」◯「〜しておく」その理由とは! ブログ

こんにちは。長壁です。

校正でのこと。

〜して起きます (誤植)

〜しておきます (正しい)

見落としやすい誤植でもあります。

なぜ、ひらがな表記?「〜(し)ていきます」「〜(し)ておきます」「〜(し)てきます」「〜(し)てみます」

他にも
〜(し)ていきます
〜(し)ておきます
〜(し)てきます
〜(し)てみます

などの表記で
〜(し)て行きます
〜(し)て置きます
〜(し)て来ます
〜(し)て見ます
と漢字になっている場合があります。

これらの文章表現で、本来ひらがな表記が正
しいですが、漢字表記になっていて見逃して
しまったことがありました…

その経験から「なぜひらがな表記が正しいの
か?」を調べて考えてみました。

上記の表現を私たちは普段からよく使ってい
ませんか?
普段よく使っているはずが、なぜ?と聞かれ
ると答えられなかったり、あいまいに使って
いたりしませんか?

チコちゃんに叱られそうです(笑)

口語だとあまり気にならなかったのですが、
仕事で校正をしていると、表記の誤字脱字は
目で見て見つけなければいけません。

そのときに、なぜ間違いなのか?
意味を理解することで、今後の誤植を見つけ
る手立てにもなります。

まず、パソコンで文字を打っているとどのタ
イミングで漢字変換するのかで、ひらがなで
よいところを漢字に変換されてしまいますよ
ね。
気づかずに漢字のままになってしまうことは
よくあります。

だからこそ要注意と思いながら見るようにし
ています。

〜(し)ていきます
〜(し)ておきます
〜(し)てきます
〜(し)てみます

ひらがなで表記する理由は、
動詞ではなく、「補助動詞」だから!

補助動詞とは
“日本語などにおいて、別の動詞に後続することにより文法的機能を果たす動詞で、それ自体の本来の意味は保っていない(前の動詞との組合せで意味を持つ)ものである。類似の補助形容詞などもあるので、合わせて補助用言ともいう。”

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
補助動詞


まず古語辞典で調べました。

置く/おく … ④[動詞の連用形、またはそれに接続助詞「て」が付いた形に付いて]
前もって〜しておく。
そのまま〜しておく。

大修館書店
古語林より

見る/みる … ⑦[動詞の連用形、またはそれに接続助詞「て」が付いた形に付いて]
ためしに〜する。
〜してみる。

大修館書店
古語林より

この二つは
昔から使われていたのだろうと思います。

例えば
「私はこれからもSEOについて勉強していき
ます」
今もおこなっていて、今後も続けていくとい
う意味。意思を表現。

「私がSEOについて勉強しておきます」
前もって〜する意味。

「私はSEOについて勉強してきます」
動作の順序を表している。

「私はSEOについて勉強してみます」
試しに〜してみるという意味。

漢字の「行く」「置く」「来る」「見る」
の動きを表す場合と違い、
ひらがなの「いく」「おく」「くる」
「みる」は、その前の言葉の動きや状態の
継続や時間的変化を表しています。

なので、本来の動詞の意味を持ちません。
また、漢字で書くと具体的な意味をイメージ
させやすいことから「ひらがな」で表記する
ことが望ましいそうです。

文章表現では、漢字とひらがなで持つ意味が
変わるので校正ではただ読むだけでは見落と
してしまいます。
前後の文章やことばの関係はとても大切で日
本語の奥深さを感じました。

他にも
「ほしい」などの補助形容詞もあるそう
ですよ。

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