インクとインキはどう違う?

通訳さんが関係?「インキ」の言葉の由来と歴史! ブログ

こんにちは。長壁です。

生活の中で、ペンのインクが切れたとか、
プリンターのインク、インクの交換など、
「インク」という言葉はみなさんもよく使わ
れると思います。

私が印刷の本を読んだとき、その本には
「インキ」という言葉が多く出てきました。

では、日常生活でよく使う「インク」と
印刷業界でよく使われる「インキ」では
違いがあるのでしょうか?

調べてみました!

印刷業界では「インキ」と呼ぶことが多い?

今まであまり気に留めることはなかったの
ですが、
先日、印刷の仕組みを知るために、社長
からある本を借りました。

データが入稿されてから、印刷会社では
どのような工程で仕上げているのかを学
ぶために、印刷の工程の紹介や仕組みな
どが本に掲載されていました。

そこには「インキ」の言葉が何度も出てきま
した。

インクと聞くこともあるし、印刷用語では
「インキ」かな?とかちょっと気になりました。

読んだ本では、印刷機で使用するプロセ
スカラーや特色では「インキ」という言葉が
使われていました。

唯一「インク」という言葉が出てきたのは、
「インクジェットプリンタ」
「インクジェット方式」でした。

勝手に推測です!
印刷機で使用するものは「インキ」
プリンターで使用するものは「インク」

こんな単純なことではないですよね(笑)

カタカナ語の「インキ」と「インク」について

インキ(オランダ語)
→インク

『小学 新国語辞典』
光村教育図書

インク( ink)
→ペンや印刷などに使う、色のついた液体。インキ。

『小学 新国語辞典』
光村教育図書

辞書で調べてみると、
インキというカタカナ語の語源はオランダ
語からきた言葉だったのですね!
インクは英語からきた言葉!

実は、インクをパソコンで打って文字変換
するとアルファベットで、「Ink」と「Inkt」が
出てきます。

「Ink」が英語で、「Inkt」がオランダ語にな
ります。

ちなみに、塗装などで色を塗るものを
「ペンキ」とカタカナ語で言いますが、この
言葉もオランダ語(pek)が元でした。
英語ではペイント(paint)ですね。

 【印刷の始まり】オランダと日本の関係は?

オランダ語がカタカナ語として入ってきた
背景にはどんなことがあったのだろう?と思
いました。

実は、19世紀に入るまではオランダのみ
が貿易国として認められていたのです。
オランダは、日本にとってヨーロッパ唯一
の主要な貿易相手国でした。

当時、長崎の出島にオランダとの貿易拠
点を設けることを日本は認めたそうです。

そこで、オランダ語の通訳をしていた方が
「本木昌造」さん。
日本の活版印刷の始まりのきっかけを作っ
たすごい方です。

なぜ、通訳の人が?と思いました。
それは、オランダからきた印刷技術と機能
の素晴らしさに感銘し、何とか日本語の印
刷物を作ってみたいと思ったことが始まり
だった。

その後、西洋の活版機材をもとに
「活字版摺立所」を設立したことで、日本
でも印刷が盛んになった。

本木昌造さんの興味関心が印刷技術と印
刷物の普及につながっていったのですね。

インキ会社で「東洋インキ株式会社」という
社名の日本語表記は「インキ」です。
英語表記を調べると
「TOYO INK CO.,LTD.」でした。

英語の「INK」の語源は何だろう?

語源はラテン語のエンカウスツーム
「encaustum」で、鉄板に焼き付けると
いう意味とのことです。

ここから派生した語が、オランダ語の
「Inkt」と、古いフランス語の物を書く液体
という意味の「Enque」から、英語の「Ink」
になった。

さらに元をたどると、ギリシャ語の
「Egkauston」になるそうです。
意味は、地中海に生息する巻貝からとった
紫色の染料。

紫色の染料はフェニキア人によって布を
染めるのに使われていたそうです。
紫という色はやがて王家の象徴にもなった
ほど当時は高級な色でした。これはわず
かしかとれない貴重な色だったからです。

フェニキア人は地中海東岸で生活をして
いた人たちです。
彼らフェニキア人の使う音を表す文字は
22文字のアルファベットで構成されていて、
別の言語を話す民族との交易を
スムーズにするために作られた文字です。

この文字は交易とともに広がり、
ギリシャ人、現在のアルファベットを作った
古代ローマ人へと伝わったそうです。

はるか遠い昔、色を表現するための染料
を意味する言葉からできたのですね〜

言葉の由来を調べてみると、その当時の
人々の文化や知恵など、歴史も知ることが
できました!
ひとつ勉強になったぞ(笑)

カタカナ語の「インク」と「インキ」はどう違う?

意味は両方とも同じだということがわかり
ました。


違いは、

「インキ」がオランダ語
「インク」が英語ということでした。

日本の活版印刷を広めたきっかけが
オランダからの印刷技術だったので、
印刷の専門用語では「インキ」と使う
ほうが多いのだと思います。

ただ、私たちが生活の中で一般的に使う
言葉は、英語のカタカナ語「インク」のほう
がよく使われているなと思いました。

専門用語「ノンブル」も実は「オランダ語」だった!!
ノンブルに関する記事もよかったら読んでみてください。

こちら↓
「ノンブルにも色々な形、呼び方、振り方の種類があることを知りました。」

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