「トンボ」とは?何のため?印刷やデザインの基本「トンボ」の意味や役割を解説!

昆虫のトンボじゃないよ(笑)印刷用語「トンボ」の話。 ブログ

こんにちは。長壁です。

及部デザイン事務所でお仕事をして12年
経ちました!!
えっ?もうそんなに経ったの?
と本人である私が一番驚いています笑

印刷のことも全く知らなかった私です。
社長や広告代理店の担当の方
(通称Bさん)に、ひとつひとつ丁寧に教え
てもらい今の私がいます。

最近、印刷のトンボの重要性を改めて
感じました。
私が及部デザイン事務所に入ってから
知った用語の一つでもあります。

当時、トンボって何?昆虫のトンボ?笑
こんなの初めて見たー。横にも上にも2本
線があるけど、これがトンボ?
なぜトンボが必要なの?

初心者だった私がトンボについて記事を
書くとは笑
今さら聞けない!でもめちゃくちゃ大事な
トンボについて解説してみます。

印刷用語「トンボ」とはどういう意味?

トンボとは何?
印刷のトンボには3種類あります。

一つは、仕上がりサイズの位置と塗り足し
を示す紙の四隅にある「角トンボ」です。
「コーナートンボ」とも言います。

二つ目は、天地左右それぞれの中心を
表す「センタートンボ」です。

三つ目は、折り目などの加工を入れる
ときに、折り目の位置を表す「折りトンボ」
です。

角トンボ(コーナートンボ)は印刷工程に
おいてとっても重要なマークです。
つまり、デザイナーさんにとっても重要だと
いうことです。

なぜ、トンボは必要なの?

①版ズレ(印刷ズレ)を防ぐため。
版ズレとは、多色刷りのときに版や各イン
クの重なった位置がズレることです。
ズレることで色の出具合や文字に影響が
出てしまう。
見当ズレとも言うそうです。

トンボはCMYK(各100%)で色が設定さ
れていて、版ズレを起こしている場合は、
図のようになるとのことです。

版ズレを起こしている場合のトンボ
版ズレを起こしている場合のトンボ

トンボは浮世絵版画が原点になっていて、
手作業で版の位置を決めるとき、多色刷り
の際に色がずれないようにするために
トンボ(見当)を作ったそうです。

デジタルの時代でも、今もある手作業の
印刷でも、仕上がりを左右するとっても
重要な役割があることを改めて感じました。

②断裁の位置(仕上がりサイズの位置)を
示すため。

印刷するときは仕上がりサイズよりも大き
いサイズの用紙や、原紙に合わせてデー
タを何面も並べて大量に印刷して、最後
に仕上がり位置を示すトンボで断裁してい
るからです。

印刷物が手元にきたときには、仕上がり
サイズの状態が当たり前ですよね。
私は、今まで日常生活で目にする印刷物
は仕上がりサイズのものしか見たことが
ありませんでした。

家庭用のプリンタやコンビニの複合機で
プリントアウトするときも、仕上がりサイズ
の用紙を使うことが普通だったので、印刷
機で印刷する仕組みを全くわかっていな
かったから、トンボの必要性もよくわかって
いませんでした。

「トンボ」の線が2本ある理由とは。

なぜ、トンボは線が2本なの?
なぜなら、内側と外側でそれぞれ役割が
あるからだったのです。

トンボの内側と外側の線の役割

内側の線は、仕上がりの位置を示してい
ます。断裁されるときも内側の線でカット
されます。

外側の線は、塗り足しを示す部分です。
この部分は断裁されたときに切り落とされ
る部分で、断ち落としと呼ばれます。

紙の端まで色を印刷する場合、塗り足し
がないと断裁ズレが起こったときに用紙の
白い部分が出てしまう可能性があるから
です。

塗り足しは基本、仕上がりサイズより
外側に3mm。
内側の線で断裁されますが、文字などの
切れては困る要素は、トンボの内側から
さらに3〜5mm内側に入れておく必要が
あるということを社長が言っていました。

仕上がりサイズに余白を設定する感じで
しょうか!

だからこそ、弊社ではプリントアウトした
初校をトンボに合わせてカットして仕上が
りがどんな感じか社長に確認してもらっています。

「カットする前と後では、印象が全く違って
見えるから。」とデザイナーである社長が
言っていました。

トンボの内側と外側の見分け方を知りたい!

トンボの内側と外側ってどっち?
これって、私だけかも笑
弊社では、社長がデザインしたものをプリ
ンタで出力し、私が校正をして仕上がり
サイズも確認するために、初校ではトンボ
に合わせて手動でカットします。

初めてカットしたとき、トンボに合わせて
カットすることを教わったのですが、私は
外側のトンボでカットしてしまったのです

社長に、「これ外側だよ。カットするときは
内側ね。」と言われたのを覚えています笑

たぶん、内側が仕上がりの位置で外側が
塗り足しの部分だということもわかってい
なかったのでしょうね。
いや、お恥ずかしいですが、内側?外側?
みたいな感じだったのかも笑

初めて見るマークと初めて聞く用語に頭
の中が「??」でした。

でも、言葉だけではなく自分が実際に
カットする役割を与えてもらったからこそ、
「そういうことか!」と気づけたと思います。

自分でカットしてみることって思っている
以上に大事なのですね。

社長は、「中央から見て内側と言えばわか
りやすいかもね!」と言っていました。

トンボの名前と役割を解説した図

印刷用語「トンボ」の由来とは。

なぜ、トンボという名前なの?
由来を調べてみました。
トンボの由来は、センタートンボの形が
昆虫のトンボに似ているから!
とてもシンプルなネーミングだったのですね。

印刷のトンボを英語では何と言うの?

印刷用語は海外でも使われるので、英語
ではどう表記するのだろうと思いました。

trim marks(トリムマーク)
crop marks(クロップマーク)
register mark(レジスターマーク)
と言うそうです。

トンボには日本式と西洋式があるそうです。
日本式は2本の線で、西洋式は1本の線
(仕上がりサイズ用)になるとのこと。
西洋式では1本の線ですが、塗り足しも
必ず必要。

日本式のトンボは2本あるので、優しいと
いうか親切ですね〜。
 
デザインするとき、印刷されるときにトンボ
がどれだけ大事かわかりました。

基本中の基本だった!!

意味を理解することの重要性。
そして、私自身、実際に手作業でカット
する経験があったから身についた知識
でした。

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