こんにちは。長壁です。
言われれば「あっ!違うじゃん!」と気づく。
わかっているのに見落としてしまう。
そんな経験ありませんか?
校正で誤字脱字などのチェックをしている
と、明らかに「間違っていると気づく」場合と、
意味をわかっていなくて(ちゃんと調べ
なかった)「見落としてしまう」場合があり
ます。
そして、一番やっかいな「チェックした人
全員が見落としてしまう」ということも起こ
ります。
なぜなのか。
本当に不思議なんですが、誰も気づかな
い!
見落としやすいと思われる事例を紹介
します!
意味をわかっていなくて(ちゃんと調べなかった)「見落としてしまう」場合。同訓異義語はパソコンの誤変換でも起こる!
先日あった校正で。
「かえる」という漢字には、色々ありますね。
「帰る・返る・還る」や「変える・替える・
換える・代える」など。
これらを同訓意義と言いますが、意味や
使い分けをわかっていても、意外と見落と
してしまう。
改めて「変える・替える・換える・代える」
の使い分けについて。
なぜかって?
クライアントの案件で、弊社代表が
プレゼン用のスライド制作をしました。
私は校正で携わったのですが、「かえる」
の漢字が間違っていたのに、見落として
しまった!
社長に言われて「あっ!すみません!この
場合の「かえる」の漢字は「代える」です
よね〜。」とミスってしまったことがありま
した。
恥ずかしいー
「お母さん、かえるの漢字が間違ってる
よ。(笑)」なんて子どもに言われるぐらい
の凡ミス…
「変える・替える・換える・代える」は
普段からけっこう使っていますよね。
口語だと問題ないのですが、ビジネスで
はメールのやり取りもあるので、
調べ直しました。
みなさんは使い分けできていますか?
変えるの意味は。
変える…①前とはちがったものにする。(例)かみ形を変える。
「小学 新国語辞典【改訂版】」
②それまでとちがう場所に移す。(例)テレビの位置を変える。
『光村教育図書』
変更(決めていたこと、決められたこと
などを変えること)するという意味のときに
使いますね。
あとは、位置や場所や時間がかわるとき、
形がかわるときに使うのですね。
【例文】
ミーティングの日時を変えてもらう。
スケジュールを変える。
代えるの意味は。
代える…その代わりをさせる。
「小学 新国語辞典【改訂版】」
『光村教育図書』
別の辞書では、あるものに、ほかのものの
役目をさせる。
代打、代走、代用などの熟語があるよう
に、かえる前と後で同じ役割を持っている
というときに使います。
【例文】
押印の代わりに署名する。
バターの代わりにマーガリンを使う。
替えるの意味は。
替える…それまでのものを、別のものと入れかえる。新しいものにする。(例)電池を替える。
「小学 新国語辞典【改訂版】」
『光村教育図書』
あるものを他のものとを、入れかえる。
取りかえるという意味のときに使うの
ですね。
【例文】
車を買い替える。
換えるの意味は。
換える…別のものに取りかえる。(例)品物をお金に換える。
「小学 新国語辞典【改訂版】」
『光村教育図書』
換える前と後の価値はほぼ同じというとき
に使うってことですね。
【例文】
海外へ行くので、円をドルに換える。
同訓異義語はきちんと調べるべし!
私が見落とした「かえる」は
「変える」と「代える」でした。
スライド制作のまとめのページでした。
しかも!見出しの部分!
こんな大きいところを見落とすって。
目立つところほど気づかないのですね〜。
内容はお伝えできないのですが、
「まとめに代えて」という文章でした。
誤りが「まとめに変えて」でした。
まとめとは違ったものになる、つまり変更
の意味ではなく、まとめの代わりをさせる
という意味だったのです。
この凡ミスのあと、やたらとニュースや
ネット記事で「代わる」を使った文章を
見るので、「使い方を教えてくれてるの
かな?(笑)」と思っちゃいました。
例えば、〇〇の大統領が代わったら…
市長を代えて…とかね。
一番やっかいな「チェックした人全員が見落としてしまう」
わかっているのに見落としてしまう場合とは。
誤変換によって見落としてしまうことが
あります。
恐ろしいことに、誰も誤字に気づかない
なんてことも!
パソコンの誤変換は誰でも起こり得ること
ですよね。
パソコンでの入力と校正者が同じ人物
だと、間違いに気づかないことはある。
日常生活でもSNSで発信するときや、ビジ
ネスでもメールでやり取りするときなど。
スマホやパソコンで文字を入力すると
候補が出てきます。
通常はよく入力する順番で候補が並んで
います。
前回入力したとき「変える」を使った、よく
使う「変える」が変換したときに、最初に
出てきたから、「代える」ではなく、気づか
ずに「変える」になってしまった。
過去にあった!「試験管」と「試験官」
過去に実際にあった例でいうと、
文章中に「試験管」という言葉が何度も
出てくるのですが、一箇所だけ「試験官」
になっていた!!
本当に不思議なんですが、書いた人・
校正者・クライアントのチェックみんなが
気づかなかった!!
誰かに指摘されると「そうじゃ〜ん。」と
なるのに、あまりにも堂々としていて(笑)
誰も気づかない!!
これが「みんながつられて見落とす」
パターンです。
めったに起こることではないのですが、
オカルトめいたことが起こるかも。と
頭の隅に置いておくといいですね。
AIでも誤変換はあるのか。誤字を見落としてしまうことはあるのか。
今や機械による校正ツールもありますね。
ChatGPTでも校正をしてくれる機能が
あるみたいです。
わー!!人の目での校正は不要に
なっちゃうの??
では、生成AIでも誤変換は起こるのでしょ
うか?
文脈が違ったり、誤用表現があったりなど
はあるのか。
ちょっと検索して見てみただけですが、
音声を文字変換してくれるAIも既にあり
ます。
音声をもとに文章を作成してくれるそうで
すが、音声入力には誤変換という問題が
よく起こるみたいです。
それらを修正するAIを活用すると数分で
テキストの誤りを訂正してくれちゃう。
ただ、AIにどう修正してほしいか伝えると
きには、工夫が必要みたいです。例えば
修正が必要ない箇所まで指摘されちゃう
こともあるそうです。
AIでも漢字の誤変換は苦手のようで、
自分で手作業で修正したほうがいいみた
いです。
試しにChatGPTの校正ツール(無料版)を使ってみた。
今回アップしたこの記事で試してみました。
無料版があったので、誤字脱字などを
チェックしてもらいました。
すると、一箇所、助詞の間違いを発見!
助かりました(笑)
あと、何箇所か漢字の修正案が出たのですが、
出てきた漢字は間違いでした。
やはり、漢字の変換は苦手だった!
人が責任を持って、人の目で確認することの大切さ。
こんな機能があるなら使ったほうがいいの
では?と思うかもしれませんが、
もしAIが間違った指摘をしたり、間違った
文章を作ったりしたときには、やはり人の
目で見て読んで確認することが必要なの
ではないでしょうか。
AIが責任をとることはできませんよね。
だってその機能を使ってそれを信じたの
は人だということ。
やっぱり、最終的には人が責任を持って
人の目で確認することが大切なのだと
考えました。
AIには負けてられません(笑)
でも、勝ち負けではなくていいところは
活用しつつ、校正するときは、疑いの目を
持ち、きちんと調べ、校正と丁寧に向き合
いたいと改めて思いました〜。
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