Go To トラベルキャンペーン問題で思うこと

これってネーミングがずれてるんじゃない?

こんにちは、及部です。

本日2020年7月22日から実施される
Go To トラベルキャンペーン。

連日テレビで深掘りされていますね。
東京発着は対象外、
修学旅行や老人の団体旅行は控えろとか。
それによって、
実施するのはいいけど
キャンセル続出らしいですね。
東京除外で発生するキャンセル料は
国が持たないと言ってみたり、
やっぱり国が持つと言ってみたり。
また、ワイドショーでは
国民の7割が時期尚早と考えるとの
アンケート結果が出てました。

また、県内や隣接する地域での実施を訴える
コメンテーターの方も多いです。

諸説ごもっともに感じます。
でも、方針は二転三転。
次から次へと傷口から血が吹き出て
絆創膏を貼りまくる感じは
いったい何なんだろう?

こんな時って大抵
現状が「本質」からずれている時なのでは?
だから結論がよくわからないものになる。

そこで、販促やブランディングの視点で
ロジカルに考えてみようと思いました。

気づきましたよ!
暗黙の前提条件がふたつ存在することに。

【暗黙の前提条件①】
コロナウィルスは近いうちに収束する。

こちらで考えている方が
7月22日からの実施に
反対されているんだと思いました。

口ではWith コロナとか
「経済と感染対策は両方大事」とおっしゃっていますが、
もう少し待てばコロナウィルスがいなくなるという
フィルターがかかるので、
「今は感染拡大のリスクを負うのはやめるべき」
と言う方向に話が流れて行っているように見えます。

【暗黙の前提条件②】
コロナウィルスは高低の波はあっても
今後数年間は収束することはない。

こちらで考えている方達は
実施推進派なんだと思うんです。

コロナウィルスは待っていてもなくならないんだから
どう気を付ければ安全に旅行ができるかを考えながら
感染対策と経済対策の両方にトライしてみよう、と。

昨晩(2020年7月21日)のプライムニュースに
星野リゾートの星野佳路代表が出演されていました。

『Go To混乱発射 東京除外と首長の本音 トラベル推進の是非は』

https://www.fnn.jp/articles/-/65400

その中でちゃんと
「With コロナは今後1~2年間は続くという前提で考えなくてはいけない」
と、ご自身の前提条件を明示したうえで
「経済と感染対策を両輪で回さなくてはならない。
 コロナに対する知識はどんどん増えていくので
 いつスタートしても、何が起きても、
 緊急事態宣言が再び発出されない限りは
 耐えうるしくみに修正していかなくてはならない」
とおっしゃってました。

おそらく星野さんのおっしゃっていることが
本質なんだと思うんです。

【暗黙の前提条件①】の方達だって
このことに異論を唱える方っていないと思うんです。

「With コロナは今後1~2年間は続くという前提で考えなくてはいけない」
という前提条件にもきっと反論できないですよね。
専門家の尾身先生が「新しい日常」とおっしゃっている限り。

頭ではわかっている。

でも、今はおとなしくした方がいい。

感染者が増えている今は。

(だってもうじき終わるから。
 少なくともそう思いたいから)←フィルター

旅行の予約を入れてみたけど
キャンセルしちゃお。
半額にならないし。
感染も怖いし。

また収まった頃に行けばいいや。

こんな感じになっているのではないでしょうか?

どうやら線引きの場所がちがうんですよね。
【暗黙の前提条件①】の方達は
感染者数が上昇トレンドか下降トレンドかで
線を引いていますが
【暗黙の前提条件②】の星野さんのような方は
緊急事態宣言が出るか出ないかで
線引きされているようです。

では、何故
頭では本質をわかっていながら
(だってもうじき終わるから。
 少なくともそう思いたいから)というフィルターで
行動してしまうのか?
何がスイッチなのか?

私見で申し訳ないのですが
「Go To トラベルキャンペーン」という
ネーミングで失敗していると思うんですよね。

これ、平時なら
わかりやすくてお祭り感があって
短くておぼえやすい
とてもいいネーミングなんだと思うんです。

だからこそ
コロナで我慢した鬱憤を晴らしたい欲を
上手に刺激します。

さまざまな動き方をする
複雑なひとりの人の心の中でも、
「半額で旅行に行けるなんてらっきー!」
という部分にグサッと刺さります。


このことは東京除外が決まったとたんに
キャンセル続出という事実から読み取れます。

でも、本質的に考えたとき
こういう訴求のしかたでよいのか?

前述のプライムニュースに共に出演されていた
衆議院議員で自民党観光立国調査会事務局長の福井照さんは

「国民一人ひとりがこの国の観光を責任を持って守る
 レスポンシブル・ツーリズムとして
 この制度設計をした」
とおっしゃってました。

『Go To混乱発射 東京除外と首長の本音 トラベル推進の是非は』

https://www.fnn.jp/articles/-/65400

あらららら、初めて聞いた。

ちゃんと崇高な目的設定がある。
それはそうですよね~。

しかも、いちどきに
うわわわわ~っと動いて欲しいわけではなく、
観光業が持ちこたえられるよう
細く長~く少しずつ動いて欲しいはずなんですよね。

それが伝わってないだけなんだと思いました。

例えば、

With コロナ トラベルモニターキャンペーン

とかならどうですか?

可能なら事前のPCR検査をセットにして
行く側として
どのような感染対策をして旅行に行ったか、
感染の有無などを
アンケートで回収するというのは?
そしてそれを分析する。

この場合の半額補助は
インセンティブではなく、
これからの日本に国民として責任を持ち、
モニターを引き受けてくれたことへの
報酬になります。
(所得税とかの難しい問題はさておき)

こうすると
本質的な目的が伝わりやすくなりませんか?

今回の件で私が学んだことは
有事と平時では
ネーミングなどの表現のありようを
変えなくてはいけないということ。

有事のときほど
暗黙となっている大前提を
明文化し、
精査しなくてはいけないということです。

もし私のクライアントで似たことが起きたら
遠回りのようではありますが、まず
「コロナはいつ収束する?」というテーマで
ディスカッションすることに決めました。

そして、暗黙の大前提がずれていると
お互いに自覚できるように
ナビゲートしていきたいと思います。

どのようにずれを解決してきたか。事例を載せたブログ記事はこちらへどうぞ。

私たちの考えるブランディングとコンサルティング業務はこちらへどうぞ。