こんにちは。長壁です。
私たち及部デザイン事務所では、主に
紙媒体(チラシ・DM・パンフレット・名刺
など)のデザイン制作をしています。
今さら聞けないけど、めちゃくちゃ大事な
印刷の「トンボ」についてです。
及部デザイン事務所でお仕事をして
12年が経ちました!
印刷のことも全く知らなかった私が、
今こうして「トンボ」について解説記事を
書くとは、自分自身が一番驚いています(笑)。
社長や広告代理店の担当の方
(通称Bさん)に、ひとつひとつ丁寧に教え
てもらい今の私がいます。
当時の私は、「トンボって何?昆虫のトン
ボ?」「横にも上にも2本線があるけど、
これがトンボ?」と、疑問だらけでした。
しかし、このトンボこそが、私たちが普段
手に取る印刷物の仕上がりを左右する、
基本中の基本であり、最も重要なマーク
なのです。
この記事では、当時の私と同じように
「今さら聞けない!」と感じている紙媒体
初心者の方に向けて、印刷・デザインの基礎
「トンボの意味」「なぜ必要なのか」
そして実務で失敗しないためのポイントを
丁寧に解説します。
広報・広告担当初心者向け:今さら聞けない印刷・デザインで必須「トンボ」の基本
トンボは印刷工程に
おいてとっても重要なマークです。
つまり、デザイナーさんにとっても重要
だということです。
この業界で働く前の私は、日常生活で
目にする印刷物は仕上がりサイズのもの
しか見たことがありませんでした。
家庭用のプリンタやコンビニの複合機で
プリントアウトするときも、仕上がりサイズ
の用紙を使うことが普通だったので、印刷
機で印刷する仕組みを全くわかっていな
かったのです。
まず、印刷物で見かける「トンボ」とは
何か、その基本を解説します。
印刷用語「トンボ」とは何? 印刷で使われる3種類のトンボの意味と役割
印刷用語の「トンボ」とは、仕上がりを
正確にするためにデータに付ける目印と
なるマークのことです。
主に3種類あり、それぞれ異なる重要な
役割を持っています。
角トンボ(コーナートンボ)とは?
仕上がりサイズの位置と塗り足しを示す
紙の四隅にあるマークです。
「コーナートンボ」とも言います。
これは、「仕上がりサイズの位置」と
「塗り足しの範囲」を示すマークです。
センタートンボ(天地左右の中心)とは?
天地(上下)左右それぞれの中心を
示す十字型のマークです。
印刷時の見当合わせ(版ズレを防ぐ
作業)や、紙を正確にセットする際の基準
として使われます。
折りトンボ(加工指示)とは?
三つ折りや二つ折りなど、折り加工を
入れる場合に、折り目の位置を示す
マークです。
断裁後、製本や加工を行う作業者に
正確な位置を伝える役割があります。
【印刷・デザインの重要性】なぜトンボは欠かせない? 「見当合わせ」と「断裁」の役割
デジタルの時代でも、今もある手作業の
印刷でも、仕上がりを左右するとっても
重要な役割があることを改めて感じました。
役割1:版ズレ(印刷ズレ)を防ぐため。
版ズレとは、多色刷りのときに版や各
インクの重なった位置がズレることです。
ズレることで色の出具合や文字に
影響が出てしまう。
このことを見当ズレとも言うそうです。
トンボはCMYK(各100%)で色が設定
されていて、版ズレを起こしている場合
は、図のようになるとのことです。
印刷現場では、トンボの最も重要な役割
の一つが、「見当合わせ」だと知りました。
見当合わせとは、多色刷り(CMYKなど)
や、裏表を印刷するときに、各インクの
色版や、表裏の位置がズレないように
調整することらしいです。
トンボは浮世絵版画が原点になっていて、
手作業で版の位置を決めるとき、多色刷り
の際に色がずれないようにするために
トンボ(見当)を作ったそうです。
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役割2:断裁の位置(仕上がりサイズの位置)を示すため。
私たちが手にする印刷物は仕上がりサイ
ズですが、印刷機では仕上がりサイズよ
りも大きな用紙に、データを何面も並べて
大量に印刷します。
最後に、その大きな紙から印刷物を
切り離す作業を断裁と言います。
トンボは、この断裁機がカットする正確な
位置を示すガイドです。
デザインで重要!トンボの「内側と外側」の線が持つ意味
角トンボはなぜ2本の線でできているので
しょうか?
なぜなら、内側と外側でそれぞれ役割が
あるからだったのです。
内側の線:仕上がりサイズと、外側の線:塗り足しの役割
内側の線は、仕上がりの位置を示してい
ます。断裁されるときも内側の線でカット
されます。
外側の線は、塗り足しを示す部分です。
この部分は断裁されたときに切り落とされ
る部分で、断ち落としと呼ばれます。
塗り足しとは?
紙の端まで色や写真が来るように印刷
する場合、断裁機が少しズレても、白い紙
のフチが出ないように、仕上がりサイズの
外側3mmまで色をはみ出させておく必要
があります。
このはみ出させた部分が
「塗り足し(ぬりたし)」です。
塗り足しは基本、仕上がりサイズより
外側に3mm。
内側の線で断裁されますが、文字などの
切れては困る要素は、トンボの内側から
さらに3〜5mm内側に入れておく必要が
あるということを社長が言っていました。
仕上がりサイズに余白を設定する感じで
しょうか!
だからこそ、弊社ではプリントアウトした
初校をトンボに合わせてカットして仕上が
りがどんな感じか社長に確認してもらって
います。
「カットする前と後では、印象が全く違って
見えるから。」とデザイナーである社長が
言っていました。
実体験!トンボの「内側と外側」を間違えないコツ
実は私自身、初めてトンボに合わせて
カットしたとき、外側の線でカットしてし
まった経験があります。(お恥ずかしい!)
弊社では、社長がデザインしたものを
プリンタで出力し、私が校正をして
仕上がりサイズも確認するために、初校
ではトンボに合わせて手動でカットします。
初めてカットしたとき、トンボに合わせて
カットすることを教わったのですが、私は
外側のトンボでカットしてしまったのです。
社長に、「これ外側だよ。カットするときは
内側ね。」と言われたのを覚えています。
初めて見るマークと初めて聞く用語に
頭の中が「??」でした。
でも、言葉だけではなく自分が実際に
カットする役割を与えてもらったからこそ、
「そういうことか!」と気づけたと思います。
自分でカットしてみることって思っている
以上に大事なのですね。
社長は、「中央から見て内側と言えば
わかりやすいかもね!」と言っていました。
補足:トンボの由来と海外での名称(トリムマーク)
印刷用語「トンボ」の由来
なぜ、トンボという名前なのでしょうか?
トンボの由来は、センタートンボの形が
昆虫のトンボに似ているから!
とてもシンプルなネーミングだったのですね。
海外ではどう呼ぶ?
英語の「トリムマーク」と日本式の違い
印刷用語は海外でも使われるので、英語
ではどう表記するのだろうと思いました。
英語では主に以下の用語が使われています。
・trim marks(トリムマーク)
・crop marks(クロップマーク)
・register mark(レジスターマーク)
と言うそうです。
トンボには日本式と西洋式があるそうです。
日本式は2本の線で、西洋式は1本の線
(仕上がりサイズ用)になるとのこと。
西洋式では1本の線ですが、塗り足しも
必ず必要。
日本式のトンボは2本あるので、優しいと
いうか親切でわかりやすいですね。
まとめ:デザイン・印刷の基本は「トンボ」にあり
基本中の基本だった!!
トンボは、「正確に印刷し、正確に断裁
する」という印刷物の品質を担保する最も
重要な役割を持っているのですね。
そのためには、校正する私もトンボを正し
く理解し、デザイナーの社長やその先の
印刷会社さんがスムーズに進行できるよ
う、チェックしなければいけないなと改め
て感じています。
私自身、実際に手作業でカットする経験
があったから失敗もして、教えてもらって
身についた知識でした。
この記事を読んで、「カットしてなかった!」
という方がいたら、ぜひ、自分で切って
確かめてみてください。
【出版のお知らせ】ブログとはひと味もふた味も違う!「トンボ」の真実に迫る一冊。
私はこれまで、校正するうえで自分が現場で学び、
必死に調べて身につけた
「トンボの基本」をブログで発信してきました。
ですが、この本は違います。
デザイナーである社長が、
長年の経験と実績から導き出した
「なぜ、この線が必要なのか?」
「何のための余白なのか?」という
プロの深い思考が、惜しみなく書き足されています。
知識として知っているだけの「トンボ」から、
実務で武器になる「トンボ」へ。
単なる目印ではない、
プロが実践する『トンボ攻略法』の核心を、
ぜひ本書で体感してください。
【長壁推しの記事はこちら】
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