こんにちは。長壁です。
昨年弊社では、Amazon Kindle
ダイレクト・パブリッシングにて
『「今日からキミが広報担当!」と
無茶ブリされたあなたのための
外注デザイナーと作るDM・パンフレット
基本のき』を出版いたしました。
私は校正を担当したのですが、何百ペー
ジという本の校正は初めてでした。
同じ校正でも、本の校正は、
それはそれは大変で、「やっちまったー!!」
と叫ぶほどの入稿前の誤植発見や、表記
ゆれが「出てくる出てくる!!」という失態の
連続でした。
実体験をもとに本の校正の現場をお伝え
します。
恐るべし「表記ゆれ」!
「表記ゆれ(揺れ)」とは、
1つの記事内や紙媒体で、同じ意味の
言葉や表現が統一されていない異なる
表記が混在している状態のことです。
ある程度の表記ゆれは覚悟をしていたの
ですが、思いのほかたくさんあり、50種類
近くの表記ゆれがありました。
正直、「こんなにもあるのか!」と感じました。
次から次から出てくる表記ゆれの数々
今回、私が直面した表記ゆれの種類が
こちらです。
・漢字 or ひらがな
(例:時/とき、様/さま、恐らく/おそらく、
例えば/たとえば、後/あと、揺れ/ゆれ、
付く/つく、繋がる/つながる)
・ひらがな or カタカナ
(例:きみ/キミ、無茶ぶり/無茶ブリ)
・アルファベット or カタカナ
(例:WEB/ウェブ、PC/パソコン)
・単位の書き方はどうするのか
(例:mm/ミリ)
・アルファベットの場合は大文字か、小文字か
(例:WHY/Why)
・送り仮名
(例:台割/台割り、見積もり/見積り、
買い取り/買取)
・正式名称 or 略称
(例:スマートフォン/スマホ)
・数字の表記は漢数字 or 算用数字
(例:二人/2人、一つ/1つ)
・同じ意味だけど、違う言葉の表記
(例:周り/周囲、企業/会社)
・句点はつける or つけない
起こり得る表記ゆれがすべて出てきました。
今までの校正は、クライアント案件の制作
での校正だったため、表記ゆれは基本的
にクライアントの意向やルールにそって
統一していました。
しかし、今回は弊社で作って出版した本
で、それ自体が初めてということもあり、
社内で話し合いながら進めていきました。
では、なぜこんなにも多くの表記ゆれがあったのだろう?
この本は、弊社HPのブログ記事をもとに、
社長が編集・加筆して書き上げました。
①私が書いたブログ記事
②社長が書いた原稿記事
③Geminiさんに相談して修正した記事
この1冊の中に、3者分の記事原稿が含ま
れています。
つまり、それぞれのパソコンの変換のクセ
や、表記の違いがあるということです。
見落としの連続!「形式名詞」は要注意
いろいろなページでよく出てくる言葉で、
見落としが多かったのが「とき」「時」。
「とき」は本当によく使われる言葉だったの
で、気をつけていても、2校でチェックした
はずが、3校でまたゆれがあったり、4校で
また別のページで見落としがあったりしま
した。
途中、スペースの問題で「時」(漢字)に
変更した経緯もあったのですが、「やっぱ
り、ひらがなのほうが美しい」ということで、
最後まで妥協せずに、読みやすさや全体
のバランスを考え「とき」で統一しました。
基本的に、形式名詞と呼ばれる言葉は、
「ひらがなに統一しましょう」と社長と話し
ました。
だって、本にも漢字かひらがなで迷った
ときは、ひらがなにすることをすすめて
いるのですから…
ここまで言っておいて、まだ見落としが
あったら…「恥ずかしい!」
この本を読んで表記ゆれがあったら、
こっそり教えてくださいねw
こっそりですよw
本当に最後まで気づかない「同音異義語」!
第4章「デザインチェック 基本のき」の中
に「事態をしゅうしゅうする」という文章が
ありました。
この「しゅうしゅう」が「収集」という漢字に
なっていたのです。
私は最後まで気づかず、社長がMacの
画面上で見ていたときに「収集」じゃなく
て、「収拾」だよね!と気づいたのです。
慌てて私も確認すると、ここで初めて誤字
だったことに気づき、これを発見したのが
なんと5校!
恐るべし同音異義語。
何回も読んでチェックしていたのに、社長
に言われるまで気づきませんでした。
(反省)
入稿前で発見した過去一焦った見出しの誤植!
さあ、いよいよ色校正も兼ねてサンプル版
を注文しました。
サンプル版では、表紙の色の出具合の
確認と、最初から読み通して、誤植はない
か、わかりづらい文章はないかを最終
チェック!!
校正をして、万が一、誤植があった場合、
修正が必要な箇所のみ修正することを
社長と話しました。
初めて本の形になったものを見た瞬間、
「うわぁ、ついにここまで来た…!!」と感動
に浸っていたのもつかの間でした。
読み始めてしばらく経ったとき、目が釘付
けになりました。
「嘘でしょ!?えっ?」という思いで、何度
見返したことか。
何回も校正で見ていたはずなのに、目次
のページの「章」のタイトルに、とんでもな
い誤植があったのです!!
この本は、第1章から第4章までの構成に
なっているのですが、第2章のタイトル
が、第1章と同じタイトルになっていたの
です…。
気づいた瞬間、心臓がバクバク鳴り、冷や
汗が止まりませんでした。
もしかしたら、他の部分でも見落としが
あるかもと思い、目次ページと本文内の
タイトルと見出しを入念にチェックしました。
すると、な、なんと!!
見出し1箇所と小見出し2個所に本来入っ
ているはずの記号が抜けていたのです。
「ヤバいヤバいヤバい」と今までにないぐら
い変な汗が出てくるのを感じました…。
社長に報告して、「これは直しましょう。」と
いうことで、社長に修正してもらいました。
本当に入稿前でよかった…
では、なぜこんなに目立つ章のタイトルの誤字に気づかなかったのでしょう?
3校までは間違いはありませんでした。
社長と話したのですが、最初は「目次」と
「リスト」はIllustratorというアプリケーショ
ンで作っていて、4校でInDesignという
アプリケーションに作り変えました。
おそらく、そのときに起こったようです。
社長には「目次とリストを作り変えるから、
4校で間違いがないかチェックしてね。」と
言われました。
しかし、4校、5校そして6校まで気づかな
かったということは、4校で完全に校正モレ
があったことに間違いありません!!
不思議なことに、タイトルや見出しという
目立つ部分なのに気づかない。
本の校正からの「教訓」
「見た」ではなく、こういった目立つ部分
こそ一字一句チェックすることが大事。
「◯校で終わらせる!」と終わりを決めて
やらないと、ダラダラと修正が続く。
無事に入稿することができ、年内に
Amazonにて出版することができたのです。
今回、183ページという本の校正をしてみ
て思ったのですが、校正ってめちゃくちゃ
大変でした。
だって、7校までいってしまいました…
最後の最後まで気を抜いてはいけないで
すし、1人でも多くの方に読んでもらいた
いという思いで向き合ってきた期間を考え
ると、世の中の出版業界で働く校正・校閲
の方たちを尊敬します。
私にとっても今後の校正でも、またひとつ
いい経験になりました。
校正の基本をおさらいできたことは
もちろん、初校がどれだけ大切かを
身を以て実感しました。
失敗も、冷や汗も、すべては手に取って
くれるあなたのために。
社長が入魂し、私が一字一句見届けた
(大げさかなw)、とっておきの1冊。
ぜひ、あなたの広報活動の相棒として
手に取っていただけたらうれしいです。
もし興味を持っていただけたら、
読んでみてください。
『「今日からキミが広報担当!」と
無茶ブリされたあなたのための
外注デザイナーと作るDM・パンフレット 基本のき』


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