意外とよく使う「〜たり」。「たり」はふたつ? ひとつではダメ?

「〜たり〜たり」「〜たり」の使い方。おもしろい!話し言葉の「たり」とは。 ブログ

こんにちは。長壁です。

私は弊社HPにアップする
ブログ用の文章を書いたり、制作物などの
校正をしたり(←これこれ!)していると
けっこう「〜たり」をよく見かけます。

あまり気にしたことがなかったのですが、
使い方合ってる?もしかして間違った用法
をしているかも!?と気づきました。

きっかけは、社長に借りて読んでいる
漫画『重版出来!』。
14巻を読んでいたときに、
「〜たり、〜たり」の文が載っていました。

その次のページには、
「〜たり」(一つで構成された文)が!!

この違いは何だろう?
職業病ですかね(笑)

たりたり構文(←こう呼びます)笑について
調べてみました。

「〜たり、〜たり」ってどういう意味?

この「たり」は接続助詞と言います。
前後をつなぐ役割で、「から」「ば」「ても」
「ので」「が」「けれど」など他にもあります。
主に、活用する語のうしろにつくそうです。

「たり」
①《多く「…たり…たり」の形で》動作や状態を並べていうときの言葉。
(例)家の前を行ったり来たりする/寒かったり暑かったりする。

②一つの例を挙げて、ほかにもあることを示す言葉。
(例)夏休みにはプールに行ったりして、楽しく過ごしました。

小学新国語辞典【改訂版】
光村教育図書

「たり」を使う場合は、ふたつのことを
並べていう「〜たり〜たり」と、
いくつかあることの内、例えをひとつ出して
聞き手、読み手に伝えるための「〜たり」の
2種類あるのですね!

たりたり構文の使い方は?

接続助詞の「たり」には使い方が2種類あり
ます!

繰り返し使うバージョンと、
1回(単独)で使うバージョンです。

繰り返し使う場合を「並立」といい、
1回のみ使う場合を「例示」といいます。

「たりたり構文」と「たり構文」ですね笑

「たりたり構文」具体的には?例題で見てみましょう!

「並立」
Aさん(夏休みはどこかへ出かけた?)
Bさん(夏休みは、家族で大阪に行ったよ!
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行った
り、大阪城に行ったりしたよ!)

(ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行っ
たり、大阪城に行ったよ!)←これは間違い
ということですね。

また、動作や状態を繰り返し交互に起こる
ことを表します。
(例)母は、ドラマを観て泣いたり笑ったり
しています。

〜たり〜たりを使うときは、
時間の前後関係を表さない。

上記の例文だと、
後に行った場所が大阪城だとしても、
大阪城に行ったり、ユニバーサル・
スタジオ・ジャパンに行ったりしたよ!
でもOKということですね!

「たり構文」具体的には?例題で見てみましょう!

「例示」
Aさん(明日は映画を観に行こうよ!)
Bさん(いいね〜その映画観たいと思って
た!11時に〇〇集合で大丈夫?)
Aさん(大丈夫!じゃあ、また明日!)
Bさん(また明日!寝坊したりしないでね〜
笑)

聞き手や読み手がイメージできて伝わる
ときは「〜たり」を単独で使います。
この場合、例えとして寝坊しないことを
言っていますね。

「たりたり構文」を作るときの注意点!

①「〜たり〜たり」の後ろには動詞「する」が
続くこと
②列挙される動作などがそれぞれ独立
した出来事でなければならない

NAFL日本語教師 養成プログラム
『11 日本語の文法ー応用』
著者 小林ミナ
発行所 株式会社アルク

上記の教材を参考にさせていただきました。

①は例えば、
「明日は、本を読んだりテレビを観たり、
家でゆっくりしようかな。」←これもNGなん
ですね!
正しくは、「明日は、本を読んだりテレビを
観たり“して”、家でゆっくりしようかな。」
です。

②は難しい!!

先週の土曜日にAさんと映画を観に
行ったり、イタリアンを食べたりしました。

Aさんと映画を観に行くことと、イタリアンを
食べたことは別の出来事と解釈され、並べ
て動作を言うことはできない!?

Aさんとイタリアンを食べたこともいう
ときは、正しくは↓
先週の土曜日に、Aさんと映画を観に
行って、イタリアンを食べました。

〜たり〜たりを調べてみたら、思った以上
に難しいと感じました。
安易に使っていたなぁと感じた長壁です。

もし、「たり」を別の表現にしたいときは、
「〜や」「〜など」と言い換えることができる
そうですよ!

「〜たり〜たり」「〜たり」の使い方【まとめ】

「〜たり〜たり」は、動作や状態を並べて
いうときは2回セットで使う。「3回」使っても
OK!たり足らずにならないように注意が
必要ですね。

一つの例を挙げて他にもあることを示す
使い方の「〜たり」は1回です。

「〜たり」の後ろには動詞の「する」がつく。

「〜たり〜たり」を別の言葉で言い換える
ときは、「〜や」「〜など」を使ってみる。

助詞って奥が深いですね〜

制作物の校正をするときには、
たりたり構文と、たり構文にも気をつけて
確認しないとですね。
意識していなかった部分でした…

漫画本きっかけで、よく知らなかった助詞を
学ぶことができました〜

社長ありがとうございます!『重版出来!』
最高!笑

口語表現ではこんな風に「〜たり」を使うことも!?

最後に、
話し言葉では、正しく使わなくっちゃ
ダメ!ってことでもないですよね〜。

社長がおもしろいことを言っていました。
「照れ隠し」で、〜しちゃったりして!と
使うこともあるよね〜と!

例示の「〜たり」を使って、事実はひとつ
だけど、照れ隠しや謙遜して言うときに、
「けっこう評判良かったりして笑(てへっ♡)」
なんちゃって!みたいな感じで言うときも
ありますよね。

言葉は生き物だから、相手との関係や
その場のノリで、この限りではない!

ただ、外国人の方に聞かれたら正しい
「たり」を説明します笑

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