「表す」と「現す」の違いと使い分け。“あらわす”の漢字には「著す」と「顕す」もあった!

どっちの漢字?効果が「表れる」効果が「現れる」 ブログ

こんにちは。長壁です。

「表す」「現す」「著す」「顕す」

「あらわす」という漢字には4種類もあった
なんて!

それぞれの意味とは?

「表す」 表面に出す。考えや意思を示す。

「現す」 姿を見せる。現出。

「著す」 書物を書いて世に出す。著作。

「顕す」 世間の人に広く知らせる。顕示。

ちなみに、小学生が使う漢字辞典では、
「顕」は音読みの【ケン】のみで、
訓読みの【あらわす】は載っていません。

「表す」「現す」どっち?使い分けは?

よく使われるけど、使い分けが難しい
「表す」と「現す」
これ、けっこう迷ってしまいませんか?

今回調べ直してみたら、5年前に調べたと
きには知らなかったことも知ることができま
した〜

当時、クライアントからの制作物で、毎月
発行している“おたより”の校正でのこと
です。

いただいた原稿を素読みしていると、
「表す」「現す」の2種類が出てきました。

「気持ちは、色々なかたちで表せます。」
「美しい姿を現した。」

という2つの文章でした。

使い分けられていたのですが、私自身、
どう使い分けるの?と疑問に思い調べ
ました。

校正の仕事をしていると、小学生で習った
漢字なのに、「どっちだっけ?」「この漢字で
いいのかな?」と思うことが意外と多いこと
に気がつきます。

改めて調べてみると、使い方を間違ってい
たり、知らなかった意味を知ったりすること
が多いです(笑)

「表す」「表れる」と「現す」「現れる」の意味
から違いを探してみました。

「表す」「表れる」・・・表面に出てくる。

心の中にあるものを外に出す。気持ちや考えが、言葉や表情などに出る。

『例解学習漢字辞典 第八版 ドラえもん版
編/藤堂明保  編集代表/深谷圭助』

「現す」「現れる」・・・かくれていたものが、姿を見せる。

『例解学習漢字辞典 第八版 ドラえもん版
編/藤堂明保  編集代表/深谷圭助』

文章では「気持ちをかたちで表せます」
でしたので、自分の意思や感情を何かで
表現するという意味で、「表す」ですね。

一方、「美しい姿を現した」は、隠れていた
ものや人が、姿を見せた、または、見える
ようになったので、「現す」ですね。

何かであらわしたときに、人の感情や思い
が込められているときは、「表す」なのかな。

ネット検索してみると、「表す」「現す」の 使い分けはけっこう迷うらしい。

「効果があらわれる」の「あらわれる」に
ついて書かれているサイトがありました。

「効果があらわれる」は「表れる」「現れる」どっち?

現す・現れる
①かくれていたものが出てくる。
②かくしていたことが知れわたる。
③ようすが目に見えてくる。
(例)効果が現れる。

小学新国語辞典【改訂版】
監修 甲斐睦朗
光村教育図書

あるサイトでも、「効果があらわれる」という
のは、今までなかった効果が姿を見せてく
るということなので、「現れる」が正しいとい
う風に載っていました。

しかし!
他にもいろいろ調べてみると、新聞では
「効果が“表れる”」としているそうです!

なぜ?

“影響、効果などがおもてに出てくることを
示す時は「表れる」としています”

とのことです。

毎日ことばより
「表れる」と「現れる」
https://mainichi-kotoba.jp/photo-20190612

“金融政策は、実際に経済や物価に効果が表れるのが半年以上先になるとされる。”

読売新聞オンライン記事より一部抜粋
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20221103-OYT1T50142/


いや〜わからなくなってしまった(笑)
使い分けが難しいですね。

使い分けが難しいからこそ、新聞では
ルールを決めているのですね!

では、「数字をあらわす」はどっち?

この文だけですとどっちもありそうですよね。

ここにはきっと数字をあらわす”人”がいた
らどうでしょうか。

この“人”の考えを数字というかたちで表現
するという意味で、「数字を表す」だと考え
ました。

でも、「数字にあらわれる」だったら、かくれ
ていた数字が見えるようになったという意
味で、「数字に現れる」だと思いました。

例えば、スクラッチなどで「数字があらわれ
た」は、もともと数字が隠れていてコイン等
で削ると数字があらわれる仕組みなので、
「数字が現れた」だと考えました。

「表す」「表れる」「現す」「現れる」はどうやって使い分けたらよいか。

社長に「表す」「表れる」「現す」「現れる」に
ついて聞いてみました!

形のないものが見える化した(された)とき
は、「表」だと思うよ。

もともとあって隠れていたものが見えるように
なったときは、「現」だと思う。

なるほど~

確かに、「表す」を使うときは、感情などの
気持ちや考えを示すときですね。
それは表情や言葉や絵や文章などいろい
ろあります。

「現す」を使うときは、隠れていたものが、
姿・形として目に見えるようにするときです。
もともとあるものや持っているものが隠れ
ていたことがポイントになると思います。

結論!
弊社では、表すと現すの使い分けは、
「表」→ 形のないものが見える化
「現」→ もともとあって、隠れていたものが見える

と断定的に決めました!

4つの「あらわす」のまとめ

「表す」 表面に出す。考えや意思を示す。 (例)うれしさが顔に表れる

「現す」 姿を見せる。現出。 (例)本性を現す

「著す」 書物を書いて世に出す。著作。 (例)書物を著す

「顕す」 世間の人に広く知らせる。顕示。 (例)名を顕す

特に使い分けが難しい「表す」「現す」では、
「表」→ 形のないものが見える化
「現」→ もともとあって、隠れていたものが
見える(出てくる)

としてみてはいかがでしょうか?

どっち?と迷ったときは、ひらがなで
「あらわす」もありです(笑)
だって日本人には便利な“ひらがな”がありますものね!

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