「お召し上がりください」と「召し上がりください」どっちが正しいのかな?

9割が「お召し上がりください」なぜ? ブログ

こんにちは。長壁です。

「お召し上がりください」と
「召し上がりください」は、どっちが正しの?
と迷った経験ありませんか?

「食べる」の敬語は「召し上がる」と学校で
習ったよな。
でも、「お召し上がりください」という表記を
よく見るし…

より丁寧な言い方がいいよね。
じゃあ、やっぱり「お召し上がりください」
だよね!

ちょっと待った!

本当に”お”召し上がりください?

この記事では、食品パッケージでよく見か
ける「お召し上がりください」は、なぜ誤用
ではないのか。

「食べる」「飲む」の敬語表現を使うときに
は、どう言えばいいの?どう使えばいいの?
など、お伝えします。

召し上がるの意味とは。

「食べる」「飲む」の尊敬語になります。

例えば、
よろしければ、皆様で召し上がってください。

「お(ご)〜になる」という表現を使うことも
できます。
「食べる」「飲む」の尊敬語には、
「お食べになる」「お飲みになる」という敬語
表現もあります。

9割は「お召し上がりください」だった!!

密かに疑問に思っていました。
校正の仕事をしているので、普段から文章
や表記を気にするようになりました。

食品のパッケージをよくよく見ると、よく
「お早めにお召し上がりください」という表記
を目にしませんか?

あれっ!これって二重敬語?

「召し上がる」は食べる、飲むの尊敬語だか
ら、頭に”お”をつける必要はないのでは?と
思いました。

自宅にある、あらゆる食品関係の
パッケージを見てみました。
すると、なんと!

9割が「”お”召し上がり」でした。

「お早めにお召し上がりください」
「お召し上がり方」
「お召し上がりいただけます」などの表記が
ありました。

なぜ、お召し上がりくださいは間違いではないのか?

9割がこの表記っていうことは、つまり、間違
いではないのか?

なぜなら、文法的には誤用になるのです
が、許容範囲とされているからなのです。

文化庁の敬語の指針によると、
【習慣として定着している二重敬語の例】
ついて書かれていました。

尊敬語では、
「お召し上がりになる」「お見えになる」

謙譲語では、
「お伺いする」「お伺いいたす」「お伺い申し上げる」

“敬語の指針”
平成19年2月2日 文化審議会答申

6 二つ以上の種類の敬語にわたる問題
(2) 「二重敬語」とその適否 より

本来なら、一つの語について同じ種類の
敬語を二重に使ったものを二重敬語と
いい、二重敬語は文法的にも正しくない
とされていますが、上記の言葉はOKと
されていることを知りました。

文化庁が平成11年度に行った「国語に関
する世論調査」で、適切かどうか問題になる
言い方の例を挙げ、「気になる」かどうかの
結果
によると

“本製品のお召し上がり方”
の言い方について。

気になる → 25.9%
気にならない→ 68.1%

参照サイト

平成11年度「国語に関する世論調査」の結果について
「文化庁」より

また、20年以上前で、「お召し上がり方」と
いう言い方は気にならない人が7割弱!
けっこう高い数字で驚きました!

【敬語】どっち?と迷ったときは、シンプルに表現。

敬語になると元の言葉とは別の言葉に変わ
る場合、さらに丁寧にしようと考えすぎて、
私も二重敬語になってしまうことがありま
す。

そんなときほど、シンプルに使うことを
心がけています。

例えば、「拝見します」を「拝見いたします」
と使っていたときがありました。

「拝見する」という言葉自体が「見る」の
謙譲語なので、語尾をですますに変えて、
「拝見します」でいいんだ!ということを知っ
たのです。

二重敬語にならないための見分け方!(長壁流ですのでご了承ください笑)

私の勝手な見分け方!
尊敬語の場合、
「お(ご)〜になる、〜なさる」にしてみる

(言う)の尊敬語
おっしゃる → おおっしゃりになる
おかしい!

謙譲語の場合、
「お(ご)〜する」にしてみるといいですよ。

(見る)の謙譲語
拝見する → ご拝見します
あれっ?変ですよね?
シンプルに「拝見します」が正しい敬語

(行く・来る)の謙譲語
参る → お参りします
あれっ?別の意味に変わった!
シンプルに「参ります」が正しい敬語。

「召し上がる」と「伺う」など“お”をつけても
違和感がないので、こっちのほうがより丁寧
だという考えから、多くの人が使い浸透して
いったのかな?と考えました。

【仮説】もしかして?と想像してみました。

食べる→「お食べになる」ってことは、
お召し上がりになる!
という感じで“お”をつけることが敬語だと
思ってしまったからかも。

着るの尊敬語「召す」を使った場合の例で、
「着物をお召しになる」と表現するので、
「召し上がる」も「お召し上がりになる」や、
「お召し上がりください」という使い方も正し
いと思ったからかも。

私の勝手な想像です(笑)

多くの方が使っている場合、それが当たり
前になり、よしとするようになっているのも
事実ですよね。

NG表現には気をつけて!

丁寧に丁寧にの域を越えてしまって、尊敬
語の後に「れる」「られる」をつけて言うのは
間違いになります。

○ お食べになる
× お食べになられる

○(許容) お召し上がりになる
× お召し上がりになられる

【まとめ】「お召し上がりください」と「召し上がりください」どっちが正しいのかな?

二重敬語とは、尊敬語を多用して使う言葉
のこと。
敬語にはルールがあり、二重敬語は文法的
に間違いであるとされています。

尊敬語の「おっしゃる」と「れる、られる」を組
み合わせて「おっしゃられる」という使い方は
二重敬語です。

「お召し上がりください」「お召し上がりにな
る」は、許容範囲なので使っても大丈夫。

二重敬語を使うと相手にまわりくどい印象を
与えてしまうかもしれないので、
企業の取引先や上司などには、
「召し上がりください」「お食べになってくだ
さい」をオススメします。

お召し上がりになる、お伺いするなどの
二重敬語は許容範囲とされていますが、
気にする人は気にするかもしれませんね。

私はシンプルな敬語を今後も意識していき
たいと思います。

シンプル・イズ・ベスト!!

「ご飯」と同じ意味の「めし」、実は敬語だった!?

余談ですが、
召し上がるを国語辞典で調べたら
言葉の移り変わり”というコラムが載って
いました。

「ご飯」と同じ意味の「めし」ですが、
実は敬語だった!?

子どもに「めし、ちょうだい!」なんて言われ
たら、「はっ?めし?ご飯でしょ!」って言って
しまいそうですよね(笑)

今から千年ほど前、「ご飯」のことは「いい」といっていました。「いい」はその後、「めし」という言葉になりました。
「めし」は「お食べになる」という意味の敬語「お召しになる」からできたていねいな言葉です。
ところが長く使われるうちに、「めし」にはていねいな感じがなくなり、ていねいにいうときは「ご飯」を使うようになりました。

小学 新国語辞典【改訂版】
監修 甲斐 睦朗
光村教育図書

そう考えると「ご飯」の最上級が「めし」
ですね(笑)

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