こんにちは。長壁です。
約物(やくもの)といわれるカッコ類の中で
も、「“ ”」という記号。
このマーク、正式名称は何だっけ?
ある紙媒体の制作物で、始まりの記号が
逆(終わりのマーク)になっていたことに
気づき、赤字を入れたことがあります。
パソコンで入力するとき、変換したつもりが
できていなかったり、候補を間違って選択
してしまったりしませんか?
私も校正の現場で「始まりと終わりの向き」
を間違ってしまい、社長に指摘されて恥ず
かしかった経験があります(笑)。
よく見る記号ではあるけれど、正式名称や
向き、正しい使い方って意外と知らないも
のですよね。
この記事では、「ダブルクォーテーション
マーク」にまつわる基礎知識から、プロが
気をつけるべき縦組みでの特殊な使い方
まで、初心者の方にも分かりやすく解説
します!
「“ ”」の正式名称と現場でよく聞く「呼び方」
この記号には、正式な名前から現場独自
の呼び方まで、いろいろな名前があります。
- ダブルクォーテーション(マーク)
現場で最も一般的で、各サイトでも多く使われています。 - 二重引用符
日本語の約物(やくもの)としての正式名称です。 - ダブルクオーテーション
Googleフォントなどの変換候補によく出てくる表記です。 - ダブルコーテーション
弊社で参考にしている本(『原稿編集ルールブック』)に記載されています。
現場ならではの「愛称」も!
私の周りではこんな呼び方もされています。
「チョボ」(弊社代表のデザイナー談)
「チョンチョン」(私がよく使う呼び方)
みなさんの職場でも、オリジナルの呼び方
があるかもしれませんね。ここでは、一般
的な「ダブルクォーテーションマーク」とし
て解説を進めます。
意外と間違えやすい「向き」と「形」のルール
校正で最もミスが起こりやすいのが、
始まりと終わりの「向き」です。
- 始めクォーテーション( “ )
(数字の6が二つ並んだような形) 引用や強調の始まりを示す - 終わりクォーテーション( ” )
(数字の9が二つ並んだような形) 引用や強調の終わりを示す
もしも、始まりが「99」で終わりが「66」に
なっていたら、読者はそこで文章が途切れ
たような違和感を覚えてしまうかも。
「66から始まって、99で終わる」と覚えて
おきましょう。
全角(日本語)と半角(英語)の使い分け
- 全角(“ ”):日本語の文章(Web・印刷物)で使います。
- 半角(” “):英語やプログラミングで使います。
日本語の文章の中に半角が混じっている
と「表記ゆれ」になるので、全角に統一する
のがおすすめです。
グラフィックデザイナー直伝!プロはどうやって「字形」を確認している?
グラフィックデザイナーの社長に聞いた!
弊社ではMacを使っています。
社長はAdobeのIllustrator(通称イラレ)
というアプリケーションを使ってデザイン
制作をしています。
イラレでは、「字形」というパネルがあり、
常に表示されるよう設定しているそうです。
そのフォントが持っている「文字の形」を
一覧で表示してくれる機能です。
ダブルクォーテーションマークを入力して、
字形ツールを選択するといろいろな形の
ダブルクォーテーションマークが表示され
ます。
私が「テキストエディット」でテキストを打つ
ときに使う変換候補とは違い、適切な形を
見つけるのがわかりやすかったです。
【実務】ダブルクォーテーションマークの正しい使い方4選
ダブルクォーテーションマークは、引用や
強調以外にも、さまざまな使い方があります。
①引用を示すとき
他の人の文章や言葉を借りてくるときに
使います。
例: 彼は「成功とは“続けること”だ」と言った。
カギ括弧(「」)との使い分け:
日本語の文章では、引用の基本はカギ
括弧(「」)です。ダブルクォーテーション
マークは、カギ括弧の中にさらに引用を
入れる場合に使われることが多いです。
②強調したいとき
文章の中で特に目立たせたい箇所をくくり
ます。テレビのテロップの文章で強調の
部分に使われているのをよく見ますね。
例: 新商品は“驚きの軽さ”を実現しました。
③雑誌名や書名をくくるとき
文献表記などで、雑誌名や書名を区別し
たいときに二重カギ括弧やダブルクォー
テーションマークでくくります。
例: ダブルコーテーションの使い方は“原稿編集ルールブックー原稿整理のポイント”を参考にした。
④会話部分にも使われる(横組の場合)
会話文も基本はカギ括弧(「」)ですが、
横書きの媒体(Webや雑誌)では、ダブル
クォーテーションマークも使われることがあ
ります。
縦組みで使う特殊な記号「ダブルミニュート」とは?
横組み(左から右)とは異なり、縦組み
(上から下)でこの記号を使う場合、名称と
形が変わるんです。わたしも初めて知った
ときは驚きました!
ダブルミニュート「〝 〟」の形と縦組での名称
名称: ダブルミニュート
別名: 爪括弧(つめかっこ)
形は、横組みの66/99とは違い、
チョンチョンが斜め下に向かって垂れて
いるような形になります。
縦組では「引用」に使わない?
縦組みのダブルミニュートは、主に会話や
強調、書名などに使われ、引用には二重
カギ括弧(『 』)を使うのが一般的です。
横書きと縦書きではルールが変わるため
注意が必要です。
【失敗談から学ぶ】日本語と英語での決定的な使い方の違い
記号一つでいろいろな違いを発見できて
面白かったです!
英語の「quotation marks」には、
日本語にはない注意点があります。
英語では「強調」のために使わない
英語の「quotation marks」は引用符
[“ ” または ‘ ’]という意味です。
『デイリーコンサイス英和辞典』
日本語では強調したいときにも使うダブル
クォーテーションマークですが、英語では
強調のためには使いません。
もし使ったら、その言葉は「皮肉的」
「疑わしい」「文字通りではない」という意味
にとられてしまうそうですよ。
英語で強調したい場合は、イタリック
(斜体)を使うのが正しいそうです。
例(英語): He is a “genius”.
彼は“天才”だ。
(⇒皮肉で「天才なんかじゃない」の意味
になるリスクがある)
私の赤字が「誤植」になった話
ここだけの話、校正でダブルクォーテー
ションマークの始まりと終わりの向きが
逆になっていたので、私が校正紙に赤字
を入れたのですが…
通常、始まりは「6」みたいな形(下側に
黒丸が正しい)なのに、上側を黒丸にして
しまい、社長に「下側に黒丸ね!」と言わ
れ、赤字が誤植だったことに気づき恥ず
かしかったです(笑)。
みなさんも、ダブルクォーテーション
マークやコーテーションマークを使うとき
は、始まりと終わりの向き、そして黒丸の
位置に気をつけてみてください。
まとめ:約物一つで文章のプロ意識を示す
ダブルクォーテーションマークは、文章の
構造を支える大切な「約物」です。
正しい向きとルールを知るだけで、文章の
信頼性はぐっと高まります。
この記事が、あなたの校正や執筆の現場
で役立つ情報になっていたら嬉しいです!
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